ミュージカル俳優のための基礎発声 ~第7回 語るように歌う 世界基準の歌唱の秘密〜
Dec 25, 2025
こんにちは、REBELTING ACADEMY NEOトレーナーのKahoriです。
私はミュージカルや舞台で活動してきましたが、音楽に対して真剣に向き合うほど、色んなことを気にしすぎて固い歌になってしまっていました。
ブロードウェイの俳優はどうしてこんなにお話するように歌えるんだろう?
と心の底から不思議に思っていました。
もし、同じように思ってる方や、歌い方の限界を感じてる方がいたらこの記事がお役に立てるかもしれません!
今回のテーマは「語るように歌う歌唱の秘密」です。
▪️ミュージカルのコーラス
ミュージカルのコーラスは、揃う美しさが最大の魅力です。
音程、リズム、ロングトーンの切り方、細かなニュアンスまで、すべてが正確に合っていることが求められます。一音のミスも許されない、常に緊張感のある世界でした。
それはプロとして当然求められる技術です。
けれど私は、次第に「歌を表現する」よりも、「歌を間違えずにこなす」ことに必死になっていきました。
心の動きを止めて、ミスをしない選択を無意識にしてしまっていたのです。
本当は大好きだったはずの「歌うこと」が、だんだん楽しくなくなっていきました。
もちろんコーラスだけでなく、ソロで歌う場合も同じように様々な決め事があります。
▪️音楽は「決め事」の集合体
音楽には大きく分けて3つの要素があります。リズム・メロディ・ハーモニー。
これらはすべて、実はとても数学的な世界です。
リズムは「分数」。
4分音符、8分音符、16分音符はすべて分数です。8分音符は1/2、16分音符は1/4というように、拍も正確な数で管理されています。
メロディは「音の距離(比率)」。
音と音の間隔は数値で決まり、どれだけ離れているかで響きが変わります。
ハーモニーは「音の組み合わせ」。
複数の音の高さの関係性、つまり数の組み合わせの世界です。
楽譜に書いてあることはすべて、「どの高さで」「どの長さで」「どのタイミングで」という数学的な約束事の集合体です。
▪️REBELTINGのアプローチ
一方、REBELTINGでは楽譜を使いません。
クリエイターが心の声から生み出した音、感情から生まれた振動そのものを、理屈より先に“感覚”として身体で受け取っていきます。
楽譜は基礎として、とても大切なものです。
けれど、音の高低を目で見てしまうと「この音は高いから難しい」という思い込みが入り、高音が余計に苦しくなってしまいます。
REBELTINGではまず、その「思考のブレーキ」を外すところから始めます。
ミュージカルの現場で楽譜は必要です。
ですが、発声の土台づくりの段階では楽譜は必要ありません。
▪️ブロードウェイでの衝撃
ブロードウェイで舞台を観たとき、大きな衝撃を受けました。
俳優たちは、セリフの延長で自然に歌に入っていく。
音を正確に当てるというよりも、物語と感情がそのまま声になって流れてくる。
時には音が少し外れても、それすら魅力的で最高にかっこいい。
まさに、その人の「心が叫んでいる」ように感じました。
2階の後方の席にいても、その声のエネルギーが私の心に直接流れ込んでくる!という驚くような体験をしました。
▪️REBELTINGで学んだこと
REBELTINGで学んだのは、感情から声を出すこと。
歌い方の型を先に作るのではなく、まず感情があってその感情が自然に声を形作ります。
以前の私は、頭の中で
「この音までは地声、この音から裏声」
「ブレスはここで、響きはここに」と細かく計算して歌っていました。
でも今は、感情の流れのままに声が出てくる。
ただ、音楽と一体になる、音楽を語る。それだけで魅力的な歌になります。
これはまさに、私がブロードウェイで見た俳優たちがやっていたことです。
あの時憧れた表現を自分もできている——そう思うとワンボイス習得中には何度も涙が流れてきました。
▪️音楽の世界で生きるということ
手段は異なりますが、目的は同じ。
どちらも音楽の世界を色鮮やかに表現することです。
しかし「楽譜通りミスしないように歌いこなす」ということが目的になってしまっては本末転倒。音楽の力は失われてしまいます。
私は、REBELTINGで心を解放して「歌を語る」ことを体感してから、もっと歌うことが楽しくなりました。
自然に語るように歌う―これは舞台上での説得力を大きく変える技術です。
また最近では、海外の演出家や音楽監督が来日して、語る歌い方を日本人の俳優にも求めるようになったそうです。
REBELTINGでは、日本にいながら、世界基準の発声と歌い方を学ぶことが出来ます。
◉Kahoriによる15分無料カウンセリング
https://calendly.com/rebelting/free
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この記事を書いた人
NEOトレーナー Kahori

プロフィール
ミュージカル女優として、劇団四季をはじめとする舞台で数多くの経験を持つ。主な出演作品は『ライオンキング』『アスペクツ・オブ・ラブ』『ジョン万次郎の夢』など。声の表現力を追求する中でNY留学をするも、発声の課題は解決できず、その後Chico先生の歌声と教えに感銘を受け、REBELTING ACADEMYでの学びを本格的に開始する。