ミュージカル俳優のための基礎発声 ~第4回 感情編~

Dec 25, 2025

こんにちは。REBELTING ACADEMY NEOトレーナーのKahoriです。
早くも第4回目の記事です。ちょうどここで折り返しです。

少し私自身のお話しをさせていただきたいと思います。
私は劇団四季を退団後、海外で活動したいと考え、計画を立てていました。
しかし、ある事情からその計画を変更せざるを得なくなり、NYへ短期留学という形に落ち着きました。
帰国後はNYでの経験を若い世代の方に伝えようと意気込んでいたのですが、ある大御所の先生の意向でその道を断たれてしまった、という経験があります。

そんなこともあり、ミュージカルの世界が嫌いになってしまいました。
観劇をするのも辛く、歌うことも怖くなってしまいました。
ちょうどその頃、膝の靭帯を断裂し再建手術を受けました。

1年間リハビリを続けながら、かつてのように舞台に立つことはもう無理だと思い、体と心を癒せるヨガインストラクターになる決意をして、ヨガの会社に就職しました。

それでも、ずっと歌のことが頭に引っ掛かっていました。あんなに真剣に歌に向き合っていたのに、歌に対して申し訳ない気持ちと未練を抱えたままでした。

そんなある日、ヨガスタジオの新店舗メンバーに選ばれ、オープニングイベントで当時大流行してたアナと雪の女王の「Let it Go」でヨガダンスのパフォーマンスを披露することになり、咄嗟に「私は歌いたいです!」と立候補。

その歌を社長さんが聞いて下さったことで、数千人の全社員の前で歌う機会をいただきました。私は、歌が人の心を動かし喜びになる力になることを、改めて思い出しました。

そこからヨガの会社を退社し、自分のペースで少しずつ歌う機会を持つようになりました。しかし、発声の悩みは解消されず、声についてインターネットで検索する日々でした。

 

そんな中で出会ったのがREBELTING』でした。
ホームページに書いてある内容はどれも納得できる記事で、海外のブロードウェイの俳優さんの声についての解説も大きく頷けるものばかり。
何よりChico先生の圧倒的な歌声の素晴らしさにノックアウトされました。

「これがやりたかったのーーー!!!×1000倍」
というくらい、心が求めていました。

そのあと、無事にNEOコースに入り、REBELTINGで発声を学び直す中で「感情から声を出すことの大切さ」を体感してきました。頭で考えてコントロールしたり、テクニックで何とかしようするのではなく、自分の心からその感情になりきって発声する。声とは、自分の感情そのもの、そして自分自身そのものです。

NEOトレーナーになった今は、Chico先生から「感情とイメージを使うREBELTINGの真髄」をさらに深く学びながら、自分の本質と繋がり、声を出す喜びを解放した生徒さんの「声の持つ可能性」と「人生が動き出す瞬間」をサポートさせてもらっています。

私は一度ミュージカルの世界から離れた後、REBELTINGで発声を整え、あらためて外からその世界を見つめています。だからこそ、皆さんに伝えられる大切なことがあります。

今回はミュージカルで必要な「感情」についてお話ししたいと思います。


▪️ ミュージカルに求められるもの

ミュージカルの舞台を観劇した時に体験したいことは、心揺さぶられる感動です。
メインキャラクターを演じる上で、圧倒的な歌唱力は欠かせません。
それに必要なのは、役やシーンに応じた「感情が宿った声」です。

ミュージカルでは、自分が演じる役の性格や属性などから、セリフや歌の裏側にある感情や背景、環境、状況を深く掘り下げ作品の世界観を表現します。たった一言のセリフでも「何故この状況でこの人はこう言ったのか?」を追求し、感情や動作、気持ちの変化と流れ、語尾のニュアンスまで精密に設計していきます。


▪️REBELTINGの感情アプローチ

REBELTINGは、「感情とイメージを使って発声を瞬時に整えていく」他では見られない独自のメソッドです。

もちろん他のボイストレーニングにも「感情を乗せて歌って」「もっと話すように」というアプローチがありますが、そういったアプローチとは全然違います。

ここまで感情に深くコミットし、それを発声の軸として体系化している方法は他にありません。

トレーニングでは、カリスマ・不貞腐れ・バカ・野球部といった一見ユニークな感情やキャラクターを使いながら、段階を追って発声を整えていきます。

フェーズが進むと、人間が持つあらゆる感情を網羅できるようになり、「この感情を持ってくれば、この声になる」という、自分の中の“声のチューナー”が整っていきます。


▪️感情から発声を整える

ミュージカルでは、感情が高ぶった瞬間に歌へと移行する場面が多くあります。
たとえば、恋に破れて悲しみに沈むとき、胸が張り裂けそうな苦しみを抱えるとき、そして恋が実って喜びがあふれるとき。
そんな強いエネルギーが高まる瞬間に、ドラマチックな歌のシーンが展開していきます。言葉だけでは伝えきれない思いが、音楽に乗せて一気に解き放たれます。REBELTINGでは、そんな感情の色や質感を自在に表現する“共感覚“をトレーニングしていきます。

芸術を言語化し、さらにトレーニング法として体系化するのは本来とても難しいことですが、創始者のChico先生はそれを誰でも取り組めるようにシンプルで分かりやすいメソッドにしてくれました。まさに言語化の天才だと思います!

ただし、それを自分のものにするには時間も根気も必要です。なぜなら、これは天才的なミュージカル俳優やシンガーがやっていることと同じだからです。

とはいえ、REBELTINGなら期間は1年半ですべての発声の悩みが解決できるのです。どこに行っても答えが見つからず、数十年彷徨った私からすれば、まさに夢のような方法でした。

ブロードウェイの俳優が放つような開放的でダイナミックなエネルギーを声に宿し、感情をしっかり持ち込むことで声は整い、舞台全体を包み込む力強さが生まれます。


▪️REBELTING×医療
現在、REBELTINGでは、Chico先生と耳鼻科のお医者様との発声に関するプロジェクトも行っています。
その中で教えていただいたのが、声帯の働きについてとても大切なお話でした。
解剖学的に声帯の構造や仕組みを理解して「ここをこう動かそう」と頭で考えただけで声帯を思い通りに動かせるわけではない、ということです。

声帯や喉周辺の筋肉や器官は、腕や脚のように意識で直接コントロールできる筋肉とは違い、意識的に動かせるものではありません。
ではどのように動くかというと、感情や身体の自然な反応と深く結びついて動く器官なのだと教えていただきました。

だからこそ、頭でコントロールしようとすればするほど、かえって声が固くなったり、出にくくなってしまうこともあります。

その点で、REBELTINGのように感情とイメージを使って声を引き出していく方法は、発声を整える上でとても理にかなっていると、耳鼻科の先生からも太鼓判をいただいています。

「感情から声を整える」というアプローチは感覚だけの話ではなく、医学的な視点から見てもしっかりと根拠のある方法なのだと、あらためて感じています。

 

◉Kahoriによる15分無料カウンセリング
https://calendly.com/rebelting/free
ミュージカル志望の方や声に関すること、NEOコースについてなど気軽にどうぞ!

 


この記事を書いた人

NEOトレーナー Kahori

プロフィール
ミュージカル女優として、劇団四季をはじめとする舞台で数多くの経験を持つ。主な出演作品は『ライオンキング』『アスペクツ・オブ・ラブ』『ジョン万次郎の夢』など。声の表現力を追求する中でNY留学をするも、発声の課題は解決できず、その後Chico先生の歌声と教えに感銘を受け、REBELTING ACADEMYでの学びを本格的に開始する。

 

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