ミュージカル俳優のための基礎発声 ~第3回 高音編~

Dec 25, 2025

こんにちは。REBELTING ACADEMY NEOトレーナーのKahoriです。
ここまで、読み進めてくれてありがとうございます。

第3回目のテーマは「高音」です!

高音は、多くのミュージカル俳優や歌手が最も苦労するポイントのひとつです。
「高くなるほど力んでしまう」「高音の手前で声が詰まる」「裏声に逃げてしまう」こういった悩みは、舞台経験の長さに関わらず、良く聞かれます。

皆さんの中に【高音=難しい】という認識はありませんか?
もしかしたらその認識こそが、高音のハードルを上げてしまっている原因かもしれません。

今回はREBELTINGの「高音攻略法」についてお話しします。


▪️私の経験

ミュージカルの舞台に立っていた頃、高音が近づくとソワソワして少し前から緊張が走っていました。
「ちゃんと音が当たるかな? 裏返らないかな? 今日は声が出るだろうか…」
そんな不安が頭をよぎります。

練習では何とか地声で出せても、本番やオーディションの独特の空気に飲まれると、途端に思うように歌えない。
そんな悔しい経験を、数えきれないほどしてきました。

今まで真面目にボイストレーニングを受けてきましたが、足りないのは解剖学かも!?と思い、解剖学の本を買って勉強したり、ボイトレの講座やYoutubeなどを見て片っ端から試しました。一時的には「あれ?少しは歌いやすくなったかな。」と思っても、歌には繋げられない‥。勉強すればするほど声の迷子状態に陥りました。

声楽の先生に習って、発声を矯正されたこともありましたが、裏声ミックスで響きを前に集めれば安全に出せるものの、どこか心から歌っている感覚がなく、モヤモヤする。かといって地声で押せば、突然弱々しい裏声にひっくり返ってしまう。

その結果、声のポジションはどんどん不安定になり、自分の声が分からなくなる。完全に八方塞がりの状態でした。


▪️REBELTINGの高音トレーニング

NEOコースBELT1から、次のような段階を踏んでトレーニングします。

・喉を後ろに開けてレゾネーションベルト(響きの帯)を作る
日本語の特徴として響きが前に寄る傾向があり、鼻にかかったり喉が締まりやすくなります。
NEOコースに入ったら1年間、後ろに喉を開けていくことを徹底します。
外国人のような豊かな響きと力みのない喉作りをしていきます。

 

・音は上に上がらない
高音にかけて勝手に締まってくる喉や体の認識を変えて、高音でも地声でベルトできるように筋肉や脳の書き換えを行います。高音は上に上がらず後ろに移動するだけです。

 

・感情から声を出す
BELT1では「カリスマ」「不貞腐れ」などの感情から声を出して自分の心と繋がり解放していきます。
最初の1ヶ月で喚声点での地声と裏声の切り替わりを攻略していきます。
女性ならF5(高いファ)まで、男性ならC5(高いド、HiCと呼ばれる)まで地声の響きで発声することを目指していきます。

これってとんでもないことをとんでないスピードでやるって思いませんか⁉︎
私は数十年この切り替わりに悩んでいました。

さらにフェーズが進んでいくと、心の声を解放して強いエネルギーを外に解放する感覚を持つことで、舞台を包み込むようなベルティングの高音が出せるようになります。
これは、ブロードウェイ俳優が行うような開放的でダイナミックなエネルギーを声の中に入れていく、あの響きと同じことができるようになります‼︎


▪️ワンボイス生の結果

現在はワンボイスNEO5期生のコースが開講中です。
ミュージカル曲で人気なのは「Let it Go」「Defying Gravity」などですが、あの高音のロングトーンがある難しい曲をわずか数ヶ月ほどでクリアしていきます。地声をしっかり掴んで喉に力みなく歌えるようになるのは、ワンボイスコースのメソッドをしっかりとトレーニングしていくとそこまで難しいことではありません。

また、コースを終了するまでには、全員が軽々と地声で高音を歌えるようになります。ロック系のベルティングボイスを基本に、ミュージカルに良く使われる洗練された明るく軽やかなべルティングボイスも自由自在にできるようになります。

Chico先生が日本に帰国されたとき大阪のリベトレで「Defying Gravity」のラスト「AhーAhーAhー」のフェイクを一人づつやったことがあるのですが、プロで活躍してる方はもちろんのこと、アマチュアの方もベルティングボイスでかっこいいフェイクが決まっていて、本当に圧巻でした。

 


▪️声は作品のエネルギー

ミュージカルは総合芸術です。完成度の高い舞台をつくる現場では、照明・音響・衣装・メイク…あらゆる部門が作品を支えています。どれか一つが欠けても、その世界観は一瞬で揺らぎます。
その中で、俳優の「声」は舞台の中心です。セリフや歌は観客と物語をつなぎ、声の安定感とエネルギーの強さは作品全体の説得力に直結します。

だからこそ、REBELTINGで発声の基礎から整え、健康的で力強い声を持っていることは、長時間の公演やロングランを乗り切るための最大の武器になります。声の土台がしっかりしていれば、日々のコンディションに左右されにくくなり、舞台上での表現がより自由になります。自分の声への安定感と信頼感が、自分自身を輝かせることとなり、作品の中で生きるということになります。


◉Kahoriによる15分無料カウンセリング
https://calendly.com/rebelting/free
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◉他の回はこちら

♦第1回 滑舌編
https://www.rebeltingacademy.com/blog/rebeltingformusical-1-speech
♦第2回 呼吸編
https://www.rebeltingacademy.com/blog/rebeltingformusical-2-breath
♦第4回 感情編
https://www.rebeltingacademy.com/blog/rebeltingformusical-4-emotion
♦第5回 マインド編
https://www.rebeltingacademy.com/blog/rebeltingformusical-5-mind
♦第6回 裏声ミックスvsベルティング
https://www.rebeltingacademy.com/blog/rebeltingformusical-6-falsettomix
♦第7回 語るように歌う編
https://www.rebeltingacademy.com/blog/rebeltingformusical-7-singlikespeaking
♦第8回 セルフメンテナンス編
https://www.rebeltingacademy.com/blog/rebeltingformusical-8-selfmentenance
♦特別編 ワンボイスNEOコースについて
https://www.rebeltingacademy.com/blog/rebeltingformusical-9-onevoiceneo


この記事を書いた人

NEOトレーナー Kahori

プロフィール
ミュージカル女優として、劇団四季をはじめとする舞台で数多くの経験を持つ。主な出演作品は『ライオンキング』『アスペクツ・オブ・ラブ』『ジョン万次郎の夢』など。声の表現力を追求する中でNY留学をするも、発声の課題は解決できず、その後Chico先生の歌声と教えに感銘を受け、REBELTING ACADEMYでの学びを本格的に開始する。

 

 

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